当たり前だが、本は読めなければ意味がない
ブックデザインというジャンルがあるように、世のデザイナーはコンテンツ(内容)そのものよりも、書籍や雑誌のカバーや装丁、つまり本という”物体”の佇まいを愛する人が多いように思われます。
かくいう僕もそのひとりで、過去にその”物体”としての魅力に惹かれて購入した本が相当数あります。所謂ジャケ買いというやつですね。
紙の本の魅力はさておいて
その買い方が、ある時から崩れてきました。目の衰えです。ローガン(漢字はあまりにもリアルなので、あえてカタカナでご勘弁)は突然にやってきて、その勢いは急速に進んでいます。
ローガンにとっては、以前に苦もなく読めていた小さな文字が、見えづらくなってきたのです。
デザインはデザインとして置いておいて(節操がないのですが)、本はやはり読めてなんぼ。せめて大きな文字で読みたくなってきました。
普段の近眼メガネを、ローガン用やルーペ型メガネにいちいち掛けえるのも面倒だなと思い、電子書籍というものに手を出し始めています。
ブックデザイナーが意図した装丁(書体や行間、マージンなど)は味わえなくなりますが、ある程度はその設定を自分好みで変更できると思えば、逆に読みやすくなる場合もあるのです。
特に文庫本や新書などの定型的な装丁であれば、デザインも気になりません。
何といっても文字が自由に拡大できるというのが最大の利点。それによってページ数は一定にならないし、どのあたりまで読み進めているのかが紙の本のようにすぐには把握できないのですが、ブックマーク(栞)やハイライト(マーカー)、メモなども可能なので、慣れれば使いやすい。しかも、端末さえあればどこにでも何冊もの本を持ち出せるというのがいいのですね。
アプリよりも専用端末
最初は、スマホやiPadのアプリで試してみましたが、ディスプレイ特有の明るさがどうもけばけばしい。もっと紙のように落ち着いた明るさと色調で読みたいと手に入れたのが、『Kindle』というAmazonの端末です。
電子書籍といえばAmazonのKindleというように、そのサービスが代名詞となっていて、さまざまな端末上のアプリが用意されているのですが、実はこのAmazonの端末こそが最も紙の本の代替として優れていると感じます。カラーじゃないので雑誌には向きませんが、とにかく軽くて目にも優しいので読んでいても疲れません。
次回から本のレビューをしていきますが、紙の本にとどまらず、そのKindle端末で読んだ本もできる限り多く取り上げていきたいと思います。